『自分の感受性くらい』

茨木のり子さんの詩が、
絵日記学で伝えていることに
あまりにもリンクしていて衝撃を受けたので
引用させて頂きます。

 

『自分の感受性くらい』茨木 のり子

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった

だめなことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

 

最後の一言は、
そうですね、すいません!
と言ってしまいそうになるほど
耳が痛くなります。。

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大人になると、
社会性や責任感に常に晒されて
心の「抑制」が標準になってしまい、
感性が曇っていくことが多々ある
ということは私も伝えてきましたが、

茨木のり子さんのメッセージは、
それすら自分のせいなのだという忠告に
どきりとします。

社会や他者に原因を見ている時点で、
被害者という意識が生まれてしまうため、
実はどこかで人のせいにしてしまっている
ということです。

人のせいにして生きている以上、
自分は何ひとつ変わらない。
なぜなら、「見たくない自分」から
逃げ続けているだけだからです。

 

「自分らしい生き方」をするなら、
自分の目の前の起きることや現状は
全て「自分」そのものなのだと認め、
責任をとる覚悟はあるか。

それができるから、
ただうわべの楽しい部分だけを見て
本質を避けている大人にはない、
芯の通った「本当の大人」
なるのだと思います。

 

「自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ」

茨木のり子さんのこの言葉は、
時々忘れて「ばかもの」になっている私を
ハッと正気に戻してくれます。

あなたは、
自分の心を守るたしなみを
何か持っていますか?

えのぐ


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