人に興味がない自分のままでも世の中の役に立つ仕事はできる

「人や世の中の役に立つような、
立派な大人になりましょう」

なんて言葉を耳にして
社会の一員とされる私たち大人は、
「私も世の中の役に立ち
やりがいを感じられる仕事をしたい!」
と思う人も多いのではないでしょうか。

でもそう思う一方で、
そもそも世の中や他人に
実はあんまり興味がない
という本音が隠れていることがあります。

「う、私、人としてマズいかも‥‥
まずは人に興味持てるようにならなきゃ!」

と興味の持ち方を調べる以前に、
そもそも別に直す必要がない
としたらどうでしょう?

というわけで今回は、
他人に興味がない自分のままでも
世の中の役に立つ仕事はできるのか?
ということについて、
私の話を例にして書いてみようと思います。

先日、学生時代の友人に
私の今の仕事(絵日記学)を話すと、

「昔から一人ひょうひょうとして
他人に全然興味のなかったさわちゃんが、
まさか人の心と向き合う仕事をするとはね」

と驚いていました。

(人に興味ないのバレてたんだ‥‥
と私もビックリ。笑)

 

確かに大変な仕事だし
人に興味がないのは変わらず今もだけど、
心の構造自分を知ることに対しては
昔から不思議と強く惹かれていました。

私が書いている絵日記も、
絵日記を書きたかったというより
自分を知るための道具に絵日記を使って
という動機が大きかったように思います。

「宿題でもないのにわざわざ絵日記書くの?
何のために??」

“絵日記”というと苦手に思う人の方が多く、
人からあまり興味を持たれたり
理解されにくい趣味 でした。

それでも好きで20年以上書き続け、
さらに絵日記の心理効果を研究して
理論をまとめた『絵日記学』を作りました。

 

教育の道に進み、世の中の役に立とうとか
悩んでいる人たちを救おう!
‥‥なんて気持ちは1ミリもなく、
ただ自分の興味に没頭しただけでした。

そして現在、
絵日記を使って大人の内面の育て方を
教える仕事をしているのが、
今これを書いている「私」です。

少しさかのぼって私の話をすると、
私は小さい頃から
自分のこと以外に無関心で
一人黙々と勝手に変なものを作る子でした。

感覚や興味がみんなと微妙にずれていて、
自分では普通にしているつもりが
一人だけはみ出てしまい、
みんなと噛み合わない感を感じていました。
(今なら発達障害と言われるやつですね)

 

泥水で遊んだ時にできた
自分の水虫の観察日記を書いたり、

学級新聞係でもないのに
突然個人で新聞を書き、
職員室で大量に印刷して
全学年のプリント入れにまで
勝手に配布して回ったり、

学校の図工の授業とは関係ない授業中に
自動販売機の設計図を思いつき、
ダンボール箱にあるボタンを押すと
ジュースが出てくるしかけを作ったり。

 

学校の課題でもないのに
なんでわざわざそんなことしたの?
と聞かれても、
私がやりたかったから。

純粋にそれだけでした。

そしてこの
人に喜ばれるものより自分最優先」
のスタンスは、
絵日記を研究し勝手に学問にした大人の今も
あんまり変わってないですね。笑

 

「社会の一員として、
世の中の役に立ってこそ大人だ」

「ビジネスとは、
社会やお客様のニーズを解決する
サービスを提供してお金にすることだ」

なんて話を
大人の私たちはよく耳にしますが、
別に世の中の誰も求めていないことを
仕事にすることだって本当はできるんです。

 

私の場合でいうと、
社会貢献やニーズよりも自分自身の興味、
自分の内発的な動機の方が先でした。

でも、この気持ちがあるからこそ、
自分を突き動かす情熱の源泉になるんです。

絵日記学に来る生徒さんの悩みには、
「自分がない」
と同じくらい
「自分の生きる意味がわからない」
というのもよくあります。

自分がこの世に生まれてきた意味
「使命」のようなものって、
主人公っぽくてちょっと憧れますよね。

社会に貢献して生きることで
初めて一人前の大人になれたような、
もっというと、
自分がここに存在していい
やっと手に入れられた気がするから。

もちろん自分の使命を見つけて生きるに
越したことはありませんが、
もしそれが見つからなかった場合は、
生きる意味や自分の存在意義を見失い悩む
可能性も伴います。

いわゆる
「アイデンティティークライシス」です。

アイデンティティークライシス(identitycrisis)

自己喪失。「自分は何なのか」「自分にはこの社会で生きていく能力はあるのか」という疑問にぶつかり、心理的な危機状態に陥ること。
出典:コトバンク

 

「でも生まれてきたからには、
やっぱり生きる意味や使命になる仕事を
見つけたいじゃない?」

それも大事な想いだと思います。

ただし人に興味がないタイプの人は、
周りの求めるものに自分を合わせていくほど
だんだん苦しくなってきて、
ある日突然やめてしまうことがあります。

無理に変えようとしたり
「素晴らしい自分」を演じていると、
心がモヤモヤしてくるからです。

でも、そんなタイプだからこそ、
自分を無理に変えて
世の中や誰かの役に立とうとしなくても、

結果的に役に立つ方法もある
ということは知っておいてください。

周りから「それは変だよ」とか
「ニーズないよ」と言われても、
「私にとってはすごく大事なんだ!」
あなたの心が強く感じたのなら、
それはあなたにとっては正しい道なんです。

自分の「好き」や「やりたい」を探求して、
後からニーズを作っちゃう方法だって
あるんですから。

私たちは大人になると
自分の気持ちを抑えることが多くなるため、
自分の心から生まれる内発的動機に
気付きにくくなります。

自分の気持ちを感じられなくなると、
本来惹かれるものに出会っても心が動かず
大事なサインも見逃してしまいます。
(これ、恋愛にも言えますね!)

だからこそ、
大人にとっても自分の気持ちは大事なこと
なんです。

 

人に興味がなくても、
無理に世の中の役に立とうとしなくても、
使命につながるような仕事はできる。

ただしそれは、あなたの心の中にある
自分の気持ちを感じられてこそです。

あなたが心の底からの喜びを感じ、
内側から湧いてくる情熱で
一生かけてやりたいことはなんでしょう?

あなたが子供の頃から
周りの声や他人の評価に関係なく、
本当は大事だったものはなんでしょう?

 

それを自分の中から見つける方法と、
社会に活かせる形にする方法を学ぶのが
『絵日記学』です。

あなたの個性を潰すことなく
むしろ潰さないからこそ、
自分も人も犠牲にならない本当の社会貢献
ができるんです。

興味を持って相手の話を聞ける人って
好かれやすいですが、
私は残念ながら逆のタイプでした。

「本当は人に全然興味ないよね」
と言われるし、自分でもそう思います。

でも、自分にしか興味がないからこそ
絵日記を書いて自分を知ることに
こんなに夢中になれたわけですし、

人に興味あるのはいいこと
ないのは悪いこと

なんて単純な分け方は
できないんだなぁと思います。

「他人に興味がない」って、
本当はそれほどダメなことじゃないのかも
しれませんよ!

▼関連記事

自分を支える二つの自信

 

自分が本当にやりたいことを見つける
はじめの一歩はこちらから


2023-08-19 | Posted in 心のおはなしNo Comments » 

関連記事

Comment





Comment