「自分がわからない」理由は心の疲れ?日記で整えるアイデンティティ
「自分を持った大人になりたい」
そう思って努力してきたはずなのに、
日々の中でふと
自分が自分じゃないような感覚を
感じたことはありませんか?
普段なら気にならないようなことが
やけに気になり、引きずってしまう。
いつもならしないようなミスが増え、
反省するものの、
なぜそうしたのか自分でもわからない‥‥
こうした自分に対する違和感は、
心が疲れているサインかもしれません。
というわけで今回は、
心が疲れると
本来の自分ではなくなる心のしくみ
について書いてみたいと思います。
心の疲れは「自分」を見失わせる
体の疲れと違い、
心の疲れは気付きにくいものです。
体の「肉体疲労」に対し、
心は「精神疲労」と呼ばれたりします。
(参考文献:下園壮太 著『心の疲れを取る技術』朝日新書、2016年)
思考しすぎて頭が回らなくなったり、
人に気をつかい続け精神がすり減ったり。
そうして心が疲れてくると、
気力がなくなっていきます。
ゲームでいうと
MP(魔法の力)がゼロになった状態です。
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するとだんだん「いつもの自分」との感覚に
ズレが生じてきます。
・判断力が落ちて小さなことで悩み続ける
・イライラが止まらず、後で自己嫌悪になる
・人の言葉が妙に引っかかり、
自分が否定されているように聞こえる
・ゆっくり休みたいと思いつつ、
何かしていないと不安で落ち着かない
・甘いものやお酒、スマホなど衝動が増える
・部屋が荒れてきても手がつけられない
「普段の自分なら、
こんなことしないのに‥‥」
冷静になってみると自分でもよくわからない
と思うような言動は、
心が疲れすぎて
バランスが崩れてしまっている時に
起こります。
自分がしたことのはずなのに、
どこか自分じゃない感覚です。
このように、
自分で気付かないまま無理をし続け
心の疲労が溜まってくると、
思考力が落ち感情も不安定になるため、
自分をコントロールできなくなってきます。
「自分」が乖離するだけでなく、
自信まで失われていってしまうんです。
これが体の疲労なら
ゆっくり休めば回復するのですが、
精神の疲労は
休もうとしても頭の中でぐるぐる考えて
寝ているのに全然休まらない
という状態にはまります。
(瞑想などもうまくできません)
『大人心』と『子供心』に分けて
自分の心を理解する
絵日記学では、心の状態を
『大人心』と『子供心』
という二つの視点で捉えます。
①大人心:思考・理性を司る冷静な自分
②子供心:感情・欲求を司る本音の自分
▼大人心・子供心の詳しい解説はこちら |
この二つの心がバランスよくいる時は、
ちゃんと考えられ
ちゃんと感じられる状態にあります。
ただ、心が疲労してくると、
大人心は機能しなくなり
子供心は暴走し始めます。
①大人心が機能しなくなると‥‥
・思考がはたらかず、
決められない、動けない、遅い
・悩んでも前に進まず、
頭の中でぐるぐるし続ける
・自分を厳しく責め、抱え込む
思考力が落ちることで
ミスが増えトラブルも起きやすくなるため、
ますますストレスや疲労が溜まる上に
周りからの信頼を失うことにも
つながりかねません。
「なんだか考えがまとまらない」
「決断できずにずっと先延ばししている」
そんな時は、大人心が
疲れ切っているのかもしれません。
②『子供心』が暴走すると‥‥
・情緒が不安定になり、
気分の浮き沈みが激しくなる
・「全然いいことがない」
「私が全部やらなきゃ」など
0か100かの極端な思考になる
・周りが見えなくなり、
一つのことにこだわり頑固になる
・「頑張ればきっと叶う!」と理想に走り
現実で無茶をする
子供心が暴走すると、
さらに自分を追い込んでますます疲労する
負のループにはまってしまいます。
特に感受性が強く感覚的な人は、
この『子供心』の影響も大きくなります。
本来の自分を見失わないために
受講生の中には、
長年、自己啓発や心理学を学んできた方が
多くいます。
知識はあるのに、
「でも自分の中身は空っぽなままだ」
「本当の自分がわからない」
とモヤモヤし、
いつまでも悩みが晴れない状態もまた
精神疲労を招きます。
それは努力が足りないのではなく、
思考と感情のバランスが
崩れてしまっているのが本当の原因
かもしれません。
心のバランスが崩れた状態が続くと
「これが私なんだ」と思ってしまい、
本当の自分の感情や考え方が
わからなくなってしまいます。
本来の自分と違う誤ったアイデンティティ
を形成したり、
そんな自分を自己否定しがちです。
だからこそ大事なのが、
自分の心の疲れに気付くことなんです。
日記は心の変化に気付く指標になる
とはいえ、精神の疲れは目に見えず
自覚しにくいのが難点です。
そこで役に立つのが
日々の心の記録がされる【日記】です。
たとえば
・最近ネガティブな言葉が増えていないか
・些細なことに過剰に反応していないか
・気分のアップダウンは続いていないか
‥‥など、
日々のできごとや自分の言葉から
自分の変化に気付けるようになります。
一度書いて終わりのワークと違い、
日々書き続ける日記ならではの効能です。
もしまた暴走してしまったとしても、
そこに至るまでの日記を読み返すと
何気なく書いたつもりの日記から
自分のパターンが見えてきます。
傾向がわかれば対策もでき、
子供心の暴走を止めることができます。
『絵日記学』では、
ただできごとを書くのではなく、
『大人心(思考)』と『子供心(感情)』を
意識しながら書いていきます。
すると、
自分では気付いていなかった疲れや
心の中で起きていたズレが可視化できる
ようになってくるんです。
忙しい日々の中でも
「自分」を見失わないために
「忙しくて日記なんて書く余裕ないしな」
と思う方もいるかもしれません。
でも実はそんなふうに
自分を後回しにしがちな人ほど
心の疲れを見逃してしまいやすいんです。
大人が日記を書く時間は、
「揺らいだ自分の心を整える時間」。
一日ほんの10分、一言だけでも
心は少しずつ変わっていきます。
「最近、なんだか自分がわからない」
「頑張ってるけど、なんか力が出ない」
そんな時こそ、
知識だけでは見えてこなかった
「本当の自分」と向き合うタイミング。
それはきっと、
あなたがこれまで積み重ねてきた努力を
「実感」に変えるための大切な時間
になってくれます。
心に効く日記を始めてみたい方は
こちらから