心の疲労を無視していると「自分」じゃなくなってくる

自分を持った大人になること
がテーマの『絵日記学』ですが、
アイデンティティがない人に限らず誰でも
疲労しすぎると
「自分」じゃなくなってくる
というのはご存知でしょうか。

 

もちろん社会の中で毎日働いていれば、
疲れたなと感じるでしょう。

ただ、体だけではなく
精神も疲労している
というのは見落とされがちです。

たとえば複雑な問題や集中作業で思考したり
緊張感や気遣いなどによる感情の消耗も
精神疲労のダメージになります。

 

精神が疲労すると、気力がなくなります。
(ゲームでいうとMPが0の状態です)

頭が働かず時間がかかる&ミスが増えたり
人からの言葉が否定されたように感じたり
何かしていないと不安になったり
色々手付かずになって部屋が荒れてきたり
甘いものやお酒、買い物などの
衝動が強くなっ
たり‥‥

普段の「自分」だったらしないような
行動や感じ方が日常に増えてきます。

 

「なんでこんなことしちゃったんだろう?」
と考えても、自分でもよくわからない。

自分がしたことのはずなのに、
どこか自分じゃない感覚
です。

 

完全に「自分」でなくなる前に
疲労、特に精神の疲労について
知ってもらいたいということで、今回は
心の疲労を溜めると
本来の「自分」ではなくなるしくみ

について書いてみたいと思います。

 

精神の疲労が溜まってくると
思考力が落ち
感情も不安定になるため、
自分をコントロールできなくなってきます。

しかもいつもの自分なら普通のことが
できなくなる上に、
気分も落ち込みやすく
自分を責めたい気持ちも強くなるため、
自信がどんどん失われていきます。

自信がなくなると、
ただでさえ疲労ダメージを受けている心は
枯渇したまま回復できません。

これが「体の疲労」なら
休めば回復すると想像がつきますが、
「精神の疲労」は
休もうとしても頭の中でぐるぐる考えて
全然休まらない
ということがよくあります。
(この状態だと瞑想もうまくいきません)

じゃあどうしたらいいのか。

まずはわかりやすくするために、
精神」を「思考」「感情」
分けてみましょう。

さらに絵日記学では、
思考を『大人心』、 感情を『子供心』
というキャラクターに例えて
解説します。

 

▼大人心・子供心の詳しい解説はこちら

 

精神が疲労してくると、
この二つの心に変化が表れます。

思考の大人心は働きが鈍くなり、
子供心は子供の特性の悪い部分が
全面に表れてきます。

1.子供心

「感情」担当の子供心は、
精神が疲労してくると暴走し始めます。

・情緒が不安定になる

気分にムラがあり、
急にエンジンがかかったと思ったら
ダウンして落ち込みモードになります。

また、不安定だと
いいことにも悪いことにも
過剰反応しやすくなります。

 

・0か100か極端になる

1つダメなことがあれば全部ダメ!
完璧にできなかったから全て無駄!
など極端な考え方になります。

 

・視野が狭く一つのことにこだわる

私にはもうこの仕事しかないんだ!
絶対あの人私のことこう思ってる!
という思い込みや決めつけが強くなります

それ以外なんてあり得ない!
という謎の確信で頑固になるのです。

 

・理想に執着する

理想のビジョンがあるのは素敵ですが、
子供心が強すぎると現実が見えなくなる
というデメリットもあります。

「頑張ればきっとなんとかなる!」
と、現実的には厳しいことも
無理して全部やろうとします。

頑張る以外の方法がなく、
気合いで強行突破するか
先に自分が壊れるかになります。

 

子供心が暴走すると、
さらに自分を追い込んでますます疲労する
負のループにはまってしまいます。

特に元々感受性が強く感覚的な
『子供心』の要素が多い人ほど、
子供心からの影響も大きくなります。

2.大人心

「思考」担当の大人心は理性があり、
普段この子供心の暴走をセーブしています。

ただ、精神が疲労した状態では
その力も低下します。

 

・思考停止し考えがまとまらない

頭の中が散漫でぼんやりし、
集中できなくなり
ます。

 

・決断ができず悩み続ける

考えることがしんどくなり、
「どーしよーかなー‥‥」と
後回しや放置が増え
ていきます。

 

・不安に飲まれて過剰に思考する

「私は色々考えられてるから大丈夫!」
という人も、
考えが前に進まずぐるぐるしているなら、
本来の思考ができていないかもしれません。

最悪の事態の予測やシュミレーションは
不安の感情が思考します。

 

本来の聡明な大人心なら、
広い視野で建設的に判断し、
暴走する子供心を上手にサポートできる
思考力と理性を持っているはずなんです。

このように、精神が疲労してくると
大人心と子供心のバランスが崩れ、
本来の自分の思考や感情でなくなります。

疲労していない時の自分ならしないような
考え方や捉え方をして
しまうのです。

一時的ならまだいいのですが、
この状態が長くなり
定着してしまうと
「これが自分の性格だ」と誤って認識し、
自己のアイデンティティ形成にも影響
してしまいます。

 

こうならないために大事なのは、
自分の心の疲労に気付くことです。

(もし既にこの状態になっているなら、
まずは子供心の暴走で頑張るのをやめて
一度しっかり休みましょう)

 

ただ、先程もお伝えしたように、
精神の疲労は自覚しにくい
というのが厄介なところです。

そのため、
日々の自分の状態が記録される日記は
とても効果的な方法です。

日々のできごとや自分の言葉には、
その兆候が反映されるからです。

一度書いて終わりのワークと違い、
日々書き続ける日記ならではの効能です。

 

もしまた暴走してしまったとしても、
そこに至るまでの日記を読み返すと、
暴走の前にはある行動や
否定的な言葉が増えるなど、
何気なく書いたつもりの日記から
自分の精神疲労パターンが見えてきます。

傾向がわかると対策ができ、
子供心の暴走を回避することができます。

 

特に『絵日記学』では、
日々の「できごと」に加え
「大人心」と「子供心」を書く形式ため、
自分の心の変化に気付きやすくなります。

「でも忙しくて日記なんて書く暇ないし

と思う方は多いですが、
忙しくてストレスや疲労を溜めやすい
私たち大人だからこそ、
自分の心の状態を把握する習慣は重要です。

大人が日記を書くことは、
自分の心の安定を保ち
社会の中で「自分」を見失わないために
必須の大人スキルだとすら言えます。

心の疲労に心当たりがあり、
「自分」が見えなくなってるかも‥‥
と思った方は、
自分の心を大切にするための日記
始めてみませんか?

 

 

心に効く日記を書いてみたい方は
こちらから


2020-02-23 | Posted in 心のおはなしNo Comments » 

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