高校デビュー後の「じぶんデビュー」
私、中学の頃は冴えないメガネの
いわゆるオタクでした。
今ほどオタクに地位も市民権もなかった当時、
私はクラスの序列でも下の方でした。
いつも狙ってないのに浮いてしまって、
変な人と失笑されてしまう私の夢は、
「普通になること」でした。
できるだけ周りに馴染んで、
目立たなくなることが憧れでした。
そんな変な自分を返上したくて、
生まれ変わりたくて、
私を知らない人ばかりの高校で、
心機一転しようと思います。
みんながしている制服の着崩し方をして、
メガネをコンタクトに変えて、
雑誌で流行をチェックし乗り遅れないようにして、
みんなと同じルーズソックスをはいて
地味に思われないようにかつ派手にもならないように、
髪をほどよく茶色くして…
みんなに溶けこんで、
これで念願の普通の仲間入り。
他の子たちと対等になれたと安心します。
やっと居場所が得られた気がしました。
で、新学期。
私のクラスの斜め後ろにいた子は、
真っ赤なリュックにちびまる子ちゃんの缶バッジ。
男子の好感度なんて気にしないダミ声で、
みんなの笑いを全部もっていく
背の小さな女子でした。
で、
「それでいいんだ…。。」
と衝撃を受けたんです。
でも、それがカッコよかった。
綺麗とかビジュアルのカッコよさではなく、
「潔さ」という種類のカッコよさがあるのだと、
彼女を見て知りました。
私は変だから、
普通になれたらみんなと対等になれると思ったのに、
彼女は逆に振り切っていた。
そして普通になった姿の自分を見て、
自分のはみ出しをできるだけもみ消して、
みんなと同じ「正解」になれたけど・・・
なんか思ってたほど面白くないなと思いました。
そこからです。
「みんなと違うことコンプレックス」
が吹っ切れて、
自分がいいと思ったものを身につけて、
自分の好きなものや考えを
表現してもいいんだと思ったのは。
高校デビュー後に来た、高校デビュー。笑
もしかしたら、
内側に押し隠していた自分という人間を、
初めて表に出せたという意味で、
「じぶんデビュー」だったのかもしれません。
‥‥当然、この後は
担任の先生や生活指導の先生との
攻防戦の高校ライフになっていきます。笑