反抗期をせず大人になるとアイデンティティを確立しにくい

先日、絵日記学の生徒さんたちの間で、
反抗期がほとんどなかった
という面白い共通点が見つかりました。

「自分」を見つけたい人が集まる絵日記学と
深いところで関係ありそうだったので、
反抗期について考察してみました。

 

日々のことを絵日記に書いていると、
何気なく書いたその一文の中に
自分の「心の癖」がたくさん見つかります。

正解の答えを探そうとする癖
素直になれず斜に構えてしまう癖
人と比べて自分はダメだと思う癖
相手の顔色を見て合わせてしまう癖
どれだけ成果が出ても自信が持てない癖
認められようとして無理をする癖‥‥

 

「そんな癖、やりたいわけじゃないのに
直らないのはなんでだろう?」
というジレンマに、
実は反抗期の未完了
影響していたりします。

というわけで今回は、
反抗期とアイデンティティへの影響
についてです。

ところでこれを読んでいるあなたは、
過去に反抗期って経験されましたか?

親に特に不満もなく育った
親と友達みたいに仲が良かった
という人は、今の30代以降
多くなってきていると言われています。

また、怖くて言い返せず我慢していた
言っても無駄だから諦めていた
など、ぶつからない冷戦状態だったり、
「30代の今が、遅れてきた反抗期です」
という人もいるかもしれません。

 

ところで、
反抗期が終わっていないと
精神的に自立できない
と言われているのはご存知でしょうか。

人間の心理発達の過程で、
「思春期」と「成人期」を分ける基準が
反抗期を完了したかどうかだからです。

親と仲が良くても悪くても、
反抗期がなければ
大人の心理である成人期に至れないのです。

 

「反抗期はなかったけど、
今、自立して生活してるよ?」
という人もいるかもしれません。

でも、自立って
実家を出るとか自分で稼ぐといった
経済的自立だけではありませんよね。

『精神的自立』も、
大人になる条件の一つだと思います。

たとえば
自己を確立して、社会とつながること。
自分の頭でものを考え判断すること。
そしてその判断に責任をもつことです。

その判断をする自分の思考が、
親の思考そのままのことがあるんです。

 

そもそも反抗期は
なんのためにあるのかというと、
生き物が成長し自立をするために通るもの。

心理学的に表現すると、
「私は私である」と個の自分を理解する
自我の発達の第二段階
です。
(第一段階は3歳に来るイヤイヤ期ですね)

 

親に守って育ててもらわないと
生きていけなかった子の立場から、
親に依存せず自分の足で立つ際に
「親と自分は、違う人格・人間だ」
ということを認識し直し、
自分と親の間に正しく線を引けること
需要なポイントです。

(線といっても分断するものでなく、
のれん分けのような平和なものです)

これが認識できて初めて、
精神的にも自立する親離れができます。

 

幼少期に親の影響を受けるのは
自然なことなので、
それ自体が悪いことではありません。

ただ、ここで見落とされるのは、
その親の言葉を、
「自分の考え」のつもりで
大人の自分が無意識に
使っていること
なんです。

他人の言葉を、自分の考えと思い込んで
人生の判断をしていくと、
どこか他人の人格で生きているような感覚
になることがあります。

自分ではない人生を送っている
ことになるので、
自分のアイデンティティがあやふやになり
心の癖や不具合が起こります。

ここまで子の親離れによる自立について
書いてきましたが、逆もしかりです。

親も子離れできていない可能性がある

「親」という役割があることで
自分が必要とされる存在になれるので、
自分の存在意義があります。

だから「親」という
肩書きや役割が消えてしまうと、
親も自分の存在を見失うような
不安があるんです。

>リンク
自分がないと気付いてしまった
アイデンティティの崩壊後はどうしたら?

すると親も無意識で抵抗が起きます。

頭では子の自立や成長を望みながら、
心の奥では、
ずっとできないままの子で
自分を必要としてほしい
と望んでしまったりします。

もちろん無意識なので、
そんなこと思っている自覚は本人にはなく、
でも常にどこかで子の自立を
認めきれていない状態です。

そういう親の場合、
自立を望む親として振舞いながらも、
過剰に心配したり物やお金を送ったり
会話や態度にどこか子供扱いが滲み出ます。

 

だからこそ、
子は親離れ、親は子離れすることは、
親と子、お互いを自立を促します。

ここまで読んでいただくと、
「反抗期」が親と決裂するためではなく
親と自分、
お互いの自立のためであることが
ご理解いただけるかと思います。

 

私たちはいつの間にか
自分の内面を追い越して
先に外見ばかりが大人になり、
年齢を基準に成人式を行い、
大人として社会の一員になります。

そのため、年齢的、社会的には大人でも、
「精神的な大人」が未完了なことが
見落とされがちです。

しかも、
どうしたら中身も大人になれるのか
ハッキリわからないまま、
社会人や親になっていくんです。

 

大人として社会には出たものの、
どこか自分だけ浮いている感じがし、
感覚的、感情的で幼く
「自分がない」感覚。

そんな不安や焦りでモヤモヤしている人も
外見は立派な大人なので、
心の内では必死で大人を演じながら
出口を模索していたりします。

 

色々なところで学んできて
絵日記学にたどり着く生徒のみなさんは、

「自分がない」
「自分の本当の気持ちがわからない」
「アイデンティティが崩壊してしまい、
立て直し方がわからない」

「それで自己啓発を学んだら、
ますます自分がわからなくなった」

という人が多くいます。

「今度こそ自分を見つけたい」

「これが私だと自信を持って言える
本当の大人に
なりたい」

その思いは、真剣で切実です。

冒頭で生徒さんたちに
「反抗期がほとんどなかった」
という話がありましたが、

今から親に反抗しようにも、
現実的に難しいこともあるかと思います。

じゃあもう手遅れで、
「自分」をやり直せない‥‥
だと、残りの人生辛いですよね。

当時、
親と向き合うことができなかったなら、
大人の今、
まずは自分と向き合いましょう。

 

絵日記を書きながら
自分の内面と向き合っていく中で、
自己のアイデンティティを
再構築していくことができます。

大人が「精神的にも自立した大人」
になるために学び直すのが、
『大人のための絵日記学』です。

正確には、
『本当の大人』になるための絵日記学
なのかもしれませんね。

‥‥うーん、ちょっと語感が悪いですね。
(おしい!)

 

 

精神的にも自立した
『本当の大人』になりたい方はこちらから


2022-10-02 | Posted in 心のおはなしNo Comments » 

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