日記で一年を振り返ると自分のアイデンティティが作られる

毎年、年末になると
絵日記学の生徒さんで集まって
今年の自分の日記を読み返し、
どんな一年だったか話す
『日記で一年を振り返る会』をしています。

年末の集まりといえば忘年会ですが、
年を「忘れる」どころか
年を「思い出しちゃう」会ですね。笑

 

▼過去の振り返る会はこちら

日記で一年を振り返る会

 

 

12月になる度に

「もう一年終わりかぁ!早い!
今年も一年あっという間だったな」

と決まり文句のように言ってしまいますが、
今年一年の日記を読み返してみると

「あれ、これがあったのって
まだ今年のできごとだったっけ?

そうそう、この時大変だったんだよなー!
でも、ここから変わったんだよね‥‥」

なんて、一年ってあっという間のようで
本当は毎日いろんなできごとや思い出が
詰まっていたことに気付かされます。

 

そして、自分の日記を読み返して
この一年を語ることには、
自分のアイデンティティを形成する効果
もあるんです。

というわけで今回は、
日記で一年を振り返ることの効果
について書いてみようと思います。

①読み返しの効果

「日記」というとできごとを書く
イメージが強いかもしれませんが、
実は日記を読み返すことでしか
得られない効果もあります。

 

「アウトプットが大事だ!」
とよく言われますが、
ただ日記を書いただけで終わっては
日記の効果を十分発揮できません。

重要なのは、
自分のアウトプットしたものを
再びインプットすること
つまり、書いた日記を読み返すことです。

自分の主観で書いた日記を
客観で読み返すことで、
自己理解を深める効果があります。

また、書いた当時は
一日という区切りの「点」ですが、
一ヶ月やワンシーズンなど
日々を連続した「線」に繋げて見ることで、
当時の自分の状況と時間の流れを
より詳しく把握する
ことができます。

自分が変化していく過程や
その後の展開に繋がる伏線の発見など、
当時は深い意味もなく
ただなんとなく書いたつもりの言葉が、
後から読み返すと重要なキーワードだった
ということが、
日記を書いていると本当によくあるんです。

推理小説の犯人がわかった後に
最初から読み直すように、
その後の自分を知っている今だからこそ
読み返して初めて気付くことがあります。

②振り返り語ることの効果

一年の日記を読み返して
「いや〜今年もいろいろあったな〜」
で満足して終わりで

もいいですが、
それを人に語ることで
さらに深めることができます。

 

とはいえ、人に自分の一年を語る時、
ただ1月からのできごとを
順に羅列するだけでは
ただの「年間報告」になってしまい、
オチも教訓もない他人の報告というのは
聞いている側も感想に困ってしまいます。

 

そこで人に語る時にポイントになるのが、
そのできごとに対して
自分が見出した「意味」です。

自分の日記を読み返して、
この一年で自分に起きたできごとや
自分自身の変化の流れがわかったら、
そのできごとにどんな意味があったか
を考えることで、ただの報告が
オリジナルのストーリーになります。

これはよく就活や入試の面接でも
注目されるところですね。

 

なぜなら、
そのできごとに対して
自分は何を感じどんな捉え方をするかには、
その人の性格や考え方、人生観など
内面や個性が現れやすいからです。

たとえば
体調を崩してチャンスを逃してしまったり
新しいことに挑戦して失敗した時に、
自分の不幸をただ嘆いたり
見ないふりをするだけでは、
何も学ばず浅いままですよね。

逆に、
症状に出るまで無理をしてしまう心の癖や
今の目標や価値観に対する自分の考え方を
一度立ち止まって見直し
今後の教訓になったり軌道修正できたら、
そのできごとは大きな「意味」があった
ことになります。

(ちなみにネガティブなことを
無理やりポジティブに書き換える方法

とは全然違う話なのでご注意を!)

 

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アファメーションが効かないどころか余計モヤモヤする原因

 

できごと + 自分が捉えた意味
を語ることで、
その人の個性や価値観が伝わる
オリジナルのストーリーとなり、
誰かの心を動かすのです。

 

「ところで、結局アイデンティティとは
どう関係ある
の?」

①の「日記を読み返す」プロセスで、
・自己理解を深める
・今の自分に至る流れの理解

②の「過去を振り返り語る」プロセスで、
・自分に起きたできごとの意味づけ
・意味からの学びと自己の軌道修正

これら全てが、
アイデンティティの形成に必要な要素
になっているんです。

 

ここで少し心理学のお話をすると、
アイデンティティをテーマとした研究に
よく採用されている方法が
「ライフストーリー」です。

ライフストーリーとは
自身の経験を元に語る人生の物語のことで、
今までの自分の生き方を振り返る中で
自分の性格や
そんな自分だからこういう生き方だった
というように自分の中で意味づけがされて
ストーリーになっていきます。

「アイデンティティの統合」
と呼ばれていますが、
難しいので覚えなくていいです)

 

つまり、絵日記学で毎年やっている
一年間の自分の人生を振り返り
その意味を考え語る会は、
ライフストーリーのショートバージョン
のようなものなんです。

年末の集まりを「忘年会」にしないのも、
そこはやっぱりコンセプトが
自分を持った大人になるための絵日記学
ですからね!(ドヤ)

あなたは自分の今年一年に、
どんな意味を見出しましたか?

「あっという間だったな〜」
で終わるのも悪くはないですが、

「自分」を持った大人になりたい人は
そこからもう一手間、
今年起きたことの自分なりの「意味」
言葉にしてみてはいかがでしょう。

読み返す日記がある人は
当時の自分の内面を知る
最高の材料になりますし、
まだ日記を書いていない人は、
スケジュール帳やスマホのアルバムから
この一年の写真を見返すだけでも
思い出すきっかけを掴めると思います。

 

もちろんいいことばかりの一年だったら
最高ですが、
いいことも悪いこともあったけど、
とても意味のある一年だったな
と心から思えるようになることが、
自分と、
自分の生き方を肯定するためにも

大事なのではないかなと思います。

来年も、あなたにとって意味のある
大切な一年になりますように。

 

 

自分を持った
本当の大人になりたい方は
こちらから


2024-12-31 | Posted in 大人の絵日記学No Comments » 

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